アビームコンサルティング株式会社
Kanako Iguchi
井口 可菜子さん
Aki Kinukawa
衣川 亜紀さん
個人の能力を最大限に生かし、成果へとつなげるコンサルティング企業
充実した制度を活用しライフスタイルに合った働き方を実現
アビームコンサルティング株式会社は日本に本社を置き、主に日本企業の改革や海外展開の支援に豊富な実績を持つ総合コンサルティングファームだ。グローバルでありながらも欧米流のグローバルスタンダードにとらわれず、日本企業本社の意向を理解しながら、現地法人の文化や慣習も尊重した日本流コンサルティングスタイルを特色としている。現在マネジャーの立場で短時間勤務制度を利用しながらメンバーの育成とコンサルタントの仕事をこなす井口可菜子さんにはキャリアの道筋についてお話しいただき、自身も在宅勤務をしながら社員の多様な働き方を支える人事担当の衣川亜紀さんには、主に会社側の社員の働き方支援についてご説明いただいた。
井口 大学では経営学を学び、就職活動当初はメーカー、マスコミなど業種を問わず、いろいろな業界の会社を回っていましたが、活動中に「コンサルティングは人が資産」という心に残るキーワードに出合いました。具体的な商品を売る商売ではないので、モノに頼らず、自分の能力で勝負するところに魅力を感じて、そのような仕事で自分の価値をどこまで高められるかを試してみたい思いが強くなり、後半からコンサルティング業界に志望を絞って就職活動をしていました。その中でもコンサルティングファームならではのスマートさと日本企業らしい人間味とあたたかさを併せ持っているアビームコンサルティングに魅かれました。面接で出会った社員から会社の風通しのよさを感じ、一緒に働きたいと直観的に思い、入社しました。入社後は商社業界を中心とした業務を経験することが多く、キャリアを積むにつれて一時は別の業界に目を向けて視野を広げようかとも考えましたが、やはり商社は部門によって扱う対象がまったく異なるなど非常に面白く、グローバルな案件も担当したこともあり、入社4~5年目には商社の専門性を高めていこうと決めました。その後、商社専門のセクターに異動して現在に至ります。
衣川 キャリア選択をした際には、上位者であるカウンセラーにも相談されたのですよね。アビームには中長期的な視点から社員のキャリア構築や育成をサポートする「カウンセリング制度」が設けられており、原則として所属組織の上位者がカウンセラーとして全社員に割り当てられます。カウンセラーは、カウンセリーの強みや課題を把握した上でフィードバックをし、本人の生活スタイルや希望を考慮しつつ、キャリア構築のサポートや、成長を支援しています。
井口 私は2010年に結婚し、2015年に出産しました。出産時には産前産後休暇と育児休業を合わせて1年4カ月取得し、昨年の11月に復帰しました。現在は短時間勤務制度を利用して働いています。今は遅くとも17時には退社し、18時には子どもを迎えに行きます。復帰してからもクライアント先に直行直帰しているので、クライアント先に常駐して業務をする形態は以前と変わっていません。現在は、総合商社の基幹システムを関連会社に展開する12、3人のプロジェクトチームに、サブリーダーとして入っています。管理職という立場上、メンバーと話し合ってアイデアを出したり、指示を出したり、クライアントと会議で話したりと、社内外のコミュニケーションの時間が多く、勤務時間の9割程度を占めています。日中はディスカッションが中心となるため、資料作成や情報収集は自宅で子どもの就寝後などに行い、メールやスケジュールチェックは通勤中にモバイルで確認するなどスキマ時間も利用して仕事を進めています。
井口 可菜子 さん
金融・社会インフラビジネスユニット 商社セクター
2003年新卒入社。主に商社領域のコンサルティングに関わる。
現在は総合商社で導入した基幹システムを十数の関連会社に展開するプロジェクトのサブリーダーを務める。
私の息抜き
富士山の麓でキャンプ。草木、虫、風など美しい自然をたっぷりと感じて、子どもも大喜びです
現場の声を汲む会社のサポート体制が働きやすい職場環境づくりに貢献する
衣川 育児や介護などのライフイベントを迎えた社員のサポートは、法定制度に加えてマタニティ休暇や子育て支援休暇、短時間勤務制度などがあります。2017年4月からは保活コンシェルジュサービスを導入して、子どもの預け先を確保して復帰しやすくするための情報提供も始めました。アビームでは出産を迎えた女性社員の100%が育児休業を取得し、復職しています。男性社員も育児休業を取得するメンバーが増えています。社員の平均年齢が低いこともあり、利用者数はまだ少ないですが、介護に関しても同様に休業、休暇、短時間勤務制度などの支援を利用できます。
井口 柔軟な働き方を支援する制度自体は、私が入社した当時と比べても、かなり充実してきていると思っています。ただ、コンサルタントという仕事の性質上、それをフルに利用できる環境が整うまでにはまだ課題がありますね。
衣川 働き方改革を推進するために、2017年4月からコンサルタントを中心に構成されたスマートワークイニシアチブというワーキングチームの活動が本格的に動き出しています。たとえば昨年11月よりこれに先立ち「水曜日はノー残業デー」を設置していますが、クライアント先で仕事をしているコンサルタントはそうはいかないところもあります。制度で一律に縛るのではなく、プロジェクトごとにどうすれば長時間労働を是正しながらクオリティの高いサービスを提供できるかを検討しているところです。残業時間の短縮などは数字にも表れており、2016年は時間外労働が前年比月平均7%削減と、少しずつですが成果は出てきています。働き方改革を推進する上で重要なポイントは、「クライアントを巻き込みながら取り組む」ことです。アビームは、クライアントとともに働き方を変革していきたいと思っています。
井口 働き方に関しては、世の中の動きも過渡期にありますよね。今後、私のように短時間勤務をする社員も増えてくると思うので、たとえば1日X時間の業務のアウトソースを受けるといった契約でタスクコントロールのしやすいプロジェクトを増やしていくことはできないかなど、現場からも解決策を提案しています。
衣川 私自身も現在子育て中のため、在宅勤務制度を利用しています。朝、メールチェックをしてから子どもを幼稚園に送り、日中はテキストチャットや電話会議システムを利用してオフィスにいるメンバーとコミュニケーションを取りながら自宅で仕事をしています。週1回は必ず出社し、あとは必要に応じて出社します。在宅勤務制度は利用者がまだ少ないのですが、人事担当の私が率先して制度を利用して、この働き方のよい点、改善すべき点を洗い出し、今後の検討事項としてつなげていきたいと思っています。
衣川 亜紀 さん
人事グループ 人事ユニット企画チーム
2004年新卒入社。新卒採用担当を経て、2016年に企画チームへ異動。社内のダイバーシティ&インクルージョンとスマートワーク(働き方改革)を推進する。
私の息抜き
週末は、なるべく公園やキッズスペースに行って、体を動かしながら子どもと遊ぶようにしています
チームで協力しながら多様な人々が多様な働き方を選択できるフェーズへ
衣川 働き方そのものを見直す目的のスマートワークイニシアチブのほか、ダイバーシティのワーキングチームもあり、育児中の社員同士の交流会や役員を対象とした大学教授によるダイバーシティ講演会の開催など、多様な人材を尊重しお互いを認め合える風土づくりにも取り組んでいます。制度を充実させることはもちろんのこと、制度を実際に利用できる環境づくりが大切だと考えています。
井口 コンサルティング業界は残業も多くハードなイメージが強いかもしれませんが、最初から無理だと決めつけずに、興味があればまずはチャレンジしてほしいですね。コンサルタントは新しいことへの挑戦が多く常に成長することが求められるので、決して楽な業界ではないですが、個人のスキルを高めながら、チームで一つの目標に向かって遂行していく仕事です。周囲の理解を促し、クライアントを含めて信頼関係を構築しておくことで、子どもが病気になるなどいざというとき、サポートし合えるプラス面もあります。私もクライアント、チームメンバーに対して、相手を思いやって行動するよう、日ごろから努力しています。コンサルタントにとっては、クライアントからのストレートな感謝の気持ちや評価が一番うれしく、モチベーションアップにつながります。プロジェクトの異動により、あるプロジェクトを離れるとき「井口さんだからお願いしていた。またぜひ戻ってきてください」とクライアントから頂いた言葉は非常に印象に残っています。働き方においても効率化を図り、短時間勤務であっても育児休業前と同じクオリティの仕事を目指すことを常に意識しています。
衣川 アビームは、これまで以上に性別や国籍、ライフイベントの有無を問わず、社員全員が生き生きと個々の能力を最大限発揮できる職場環境を整備し、チャレンジとイノベーションが生まれる組織にするためにさまざまな取り組みを強化していきます。自身の個性や能力を高め、グローバルな環境に身を置きたい方には、ぜひアビームの門を叩いていただきたいですね。
アビームコンサルティング株式会社
1981年に日本で創立以来、多くの企業の経営・業務変革をサポートし、企業価値の向上に貢献。現在日本に5カ所、海外に10カ国19カ所の拠点を置き、アジアを中心に30カ国以上約70拠点に提携パートナーを有する。戦略、業務改革、IT、人事、アウトソーシングなどの専門知識を元に地域・業界ごとにサービスを提供する総合コンサルティングファームとして、経営理念に“Real Partner”を掲げ、単に利益だけを追い求めるのではなく、クライアントとの中長期的な関係性を重視する。経営理念を支える人材=“Real People”を重視し、現在は働き方改革をさらに推進するため“Real People 2.0”への進化に取り組む。社員一人一人が価値観やライフイベントに合わせた働き方とキャリアパスを選択し、周囲がその多様性を尊重しつつ相互に刺激し合う組織としてのイノベーションと社員の自己成長を両立するプロフェッショナル集団を目指す。
- 本 社 東京オフィス)東京都千代田区丸の内1-4-1 丸の内永楽ビルディング24階
- 代表者 岩澤 俊典
- 連絡先 TEL: 03-6700-8800
- URL http://jp.abeam.com/