フィリップモリスジャパン(PMJ)は、2014年に加熱式たばこ、IQOS(アイコス)を発売して以来、燃焼を伴う紙巻たばこから火を使わずにリスクを低減する可能性のある同製品への切替えを促進し、「煙のない社会」を企業ビジョンとして掲げている。時代が大きく変化していく中、同社は会社の新しい方向性を打ち出し、社会的変革を目指し社内的にも女性雇用の増加や働き方改革などダイバーシティへの取り組みも行なっており、社内外でトランスフォーメーション(変革)を推進している最中だ。
今回は、ワーキングマザーとしてフルタイムで働くお二人、ピープル&カルチャー部門で採用業務を担当する矢橋美佳さん、マーケティング・チームでIQOSの販促活動に従事する續木梢さんに、職場環境、やりがいなどについてお話しいただいた。
キャリア形成重視で選んだ道と、ブランド力が購買動機のひとつとなる商材に惹かれて入社した道
矢橋自動車会社を辞めていったん家庭に入ったのですが、もう一度社会に出たいと思い、フルタイムの仕事を探していました。私は喫煙者ではないので、当初はPMJがどんな会社なのかと思ったというのが純粋なスタートポイントですね。最終的な決め手は、自分のキャリアをしっかり築ける、そして面接していただいた方々を通じてこういう人たちと仕事をすることは自分にとってプラスになると信じられた、この2点ですね。
續木保険会社に勤務していた頃、会社の近くのカフェで、コーヒーを買うのを楽しみにしていたんですね。コーヒー一杯で仕事へのモチベーションが変わる、気持ちを入れ替えられる。人をより楽しい気持ちにさせるブランドマーケティングが面白そうだと思い、退職してMBA留学しました。卒業後、ブランド力が消費者の購買動機に影響を与えられ、かつ手頃な値段の商材を扱いたいと考えていたところ、PMJを知りました。私も喫煙者ではないのですが、紙巻たばこは成人喫煙者がワンコインで買えて、ブランド力が購買動機のひとつとなる商材だと思ったのがきっかけです。現在は、日本でいかにより多くの成人喫煙者の方にIQOSを選んでいただくかに取り組み、新製品のローンチ計画、それに伴う社内各部署との調整や広告物の開発を担当しています。
矢橋私は入社以来、採用を担当しています。心掛けているのは、働く環境や従業員支援制度など、外からは見えない会社の部分をお伝えすることですね。この業界に対して男性的なイメージを持つ人も多いかもしれませんが、PMJでは男女機会均等が徹底していて、男女間で賃金格差がないことを認証する「EQUALSALARY(イコールサラリー)」の認証を受けています。PMJでは、産休や育休を取って職場復帰することがスタンダードになっていて、私の知る限り、妊娠したからという理由で辞めるというのは聞いたことがありません。
續木私も産休・育休取得後、職場に戻って、それが特にマイナスになったことはありませんでした。子どもを育てながら仕事をしていると、突然休みを取らなければならないときがあるので、ファミリー休暇(全従業員に与えられる有給休暇とは別の10日間の休暇)や、フレックスタイム制度、在宅勤務などを工夫して利用しています。家族だけでなく、職場の支援がないとどうしても回していけない。上司や同僚には、温かくサポートしていただいていると思っています。
多様な背景を持った人を互いに認め合うカルチャー
矢橋PMJは、将来的にすべての紙巻たばこをIQOSのような煙の出ない製品へと切り替えるべく、「煙のない社会」の実現へ向けて、ビジネスの変革を行なっています。このビジョンを達成させるには、革新的かつ総合的なアプローチが必要です。組織内でのダイバーシティを加速させて、新たな働き方を展開することで、イノベーション(革新)をもたらすことができると考えています。多様な人材を採用することで、従業員には多様な背景を持った人を互いに認め合うカルチャーがあって、それがこの会社を心地よく感じられるところにつながっているかと思います。
續木日本オフィスだけでなくスイス本社にいる同僚と日々接しながら働いていますが、メンバーの国籍も人種も本当にさまざまで、グローバルかつダイバーシティのある環境なのかなと思います。また、私はマーケティングを希望していたのですが、実務経験は一切なかったんですね。実務経験の有無だけでなく、むしろ過去の経験に基づいて何をやっていきたいか、チームとして一緒に働いていく意欲があるかどうかを見てくれる。入社後は希望どおりの部署に配属されましたが、採用の際のオープンさが結果的に、いろんな人たちを受け入れてそれぞれにチャンスを与える会社のカルチャーを生んでいると感じています。
矢橋PMJは、「何をしたいのか」を従業員に問い、考えさせます。私のようにずっと採用の仕事をしている人もいれば、いろんな部署を経験する人もいる。上のポジションにどんどんいこうというキャリア形成もあれば、職人的に一つの専門職に就くのもありです。一番求められるのは、本人がどういうことにチャレンジして、この会社で何を達成したいかをはっきりさせることですね。
續木私は入社以来、一貫してマーケティングでのキャリアを希望していたので、以前マーケティングと販売部門の橋渡しをするセールス・コマーシャル・プラニングという別の部門への異動を打診されたときは戸惑いました。いろいろ悩んだのですが、社内の数人に相談したら「マーケティングに軸足を置く姿勢を変える必要はない、違う部門に行くことで見えてくるものがあるはずだし、絶対プラスになる、マーケティングに戻してくれと言えばいい」とアドバイスを頂いたんです。それで期限つきの異動をお願いしたところ、快く受け入れてくれたんですね。会社に「明日からここに行ってください」といった命令ではなく、従業員の意向を聞く姿勢があると感じます。結果的に1年ちょっとで戻りましたが、マーケティングで考えていたことが他部署ではどのように受け取られるのかが見えたりして、今後キャリアを積んでいく上でそこでの経験はとても貴重だったので、今は異動して本当に良かったと思っています。
女性の採用促進と働き方改革を、同時進行した結果が社内に浸透
矢橋過去数年の間に、営業部門に女性を増やそうという取り組みが会社として掲げられました。たばこ製品を扱うことから、昔から多くの男性が働いていて、この時代にも営業ではまだ女性従業員が少ないという課題があったのです。その採用を担当したのですが、最初は「たばこ」と「女性」という分野で人材を獲得するのに苦戦しました。また、当時男性がほとんどという営業組織の中で、女性の受け入れに対する不安をなくし、チームが活性化することを理解してもらうことから始めなくてはなりませんでした。その結果、現場で営業活動をしている従業員の多くから「女性が入ることでこれだけチームが変わるのかと実感できた」という声を得たことに、採用に関わった達成感がありましたね。またPMJでは、女性の採用増加だけでなく、全社における働き方改革も同時に実施してきました。私も、續木さんと同じく子育て中なので、在宅勤務やハーフデーフライデー(週4.5日勤務の推奨)、育児サポート(育児に掛かる費用のサポート)の導入は、助かっています。営業ではコアタイムなしの完全フレックスタイム制度も導入され、より柔軟な働き方ができる制度が増えてきて、新しく入社した女性たちも活用して働いています。
續木自分のワークライフバランスはまだ模索中ですが、制度をうまく活用してスケジュールを調整し、いかに自分の息抜きや子どもとの時間を確保するかに努めているところです。会社の動き方は、非常にスピード感があります。業務内容が紙巻たばこを扱う時代からIQOSに完全にシフトしているため、今まで培ってきたビジネスのノウハウが通用しないこともあり、スタートアップ企業と同じだと思っています。ただ、本当のスタートアップとは異なり、これまでの実績からさまざまなことを試せるのが大変でありつつ、面白いところです。日々試行錯誤な一方で、いろんなアイデアをより受け入れてもらえます。レシピのない状況を楽しんで、自分が考えていることをアウトプットして会社のプログラムにしていきたいという方には、これ以上ない環境だと思います。
矢橋「煙のない社会」という弊社が目指すビジョンは今後もブレません。その点に共感していただけることが非常に大事ではないかと思います。たばこや業界については入社後に学んでいただけますから、その知識は問いません。ビジョンの共有、多様性の受け入れと相互理解ができる人が求められますね。
これがあるから頑張れる!
- 矢橋 美佳さん
- ピープル&カルチャー、タレント・アクイジション
エグゼクティブ
子どもたちから時々もらう手紙や折り紙などに、毎回励まされます。私の「大事なもの」として、大切に保管しています。
これがあるから頑張れる!
- 續木 梢さん
- マーケティング&コミュニケーションズ
マネジャー・デバイス・ディプロイメント
家族の存在は大きな支えです。できる限り様々な体験や時間を共有できるように心がけ、癒しとパワーをもらっています。
- フィリップモリスジャパン合同会社
- 世界各国でたばこ事業を展開するフィリップモリスインターナショナル(PMI)の日本法人。PMIが製造するたばこ製品および加熱式たばこIQOSのマーケティングおよび販売促進活動を行なう。1985年に日本で営業を開始、全国に約1,950人の従業員を擁する。フィリップモリスの企業ビジョンである「煙のない社会」を掲げ、紙巻たばこに替わる煙の出ないIQOSのような「リスクを低減する可能性のある製品」の普及に努めている。2016年には、スイスに拠点を置くNPO法人EQUAL-SALARY Foundationの、男女間で賃金格差がないことを認証するEQUAL-SALARY Certificationを日本国内で初めて獲得し、2017年、2018年と3年連続で認証を受けている。
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- 本社:
- 東京都千代田区永田町2-11-1
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- 代表者:
- シェリー・ゴー
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- URL:
- www.pmjsaiyo.com