アメリカ発の会員制大型倉庫店のグローバルチェーン・コストコ。高品質な商品を低価格で会員に提供するスタイルで、現在全世界12ヵ国に780倉庫店以上を展開。日本でも1999年に福岡に初出店して以来、現在は26倉庫店を数える。コストコは、「オープンドアポリシー(上司と話しやすい社風)」を推奨し、自らキャリアを築いていく「社内公募制度」や、年齢・性別・国籍などに関係なく最適な人材を雇用する「機会均等制度」など、能力次第でキャリアを積める環境が整う。同社のマーケティング部セントラルマーケティングマネージャーの石田梨紗さん、同受付・マーケティングクラークの蔭山怜那さんに、入社のきっかけから産休・育休を経ての現在の働き方、グローバル企業としての魅力などを伺った。
より高みを目指し、チャレンジする社員を応援
石田私はコストコに入社する前に、外資系企業などで勤務していましたが、あまり長続きしなかったんです。そんな時にコストコに出会い、現在の部長に電話をもらった時に、すごくエネルギッシュさを感じて、ワクワクしたのを覚えています。
蔭山私はアルバイトとしてコストコで働き始めました。出口で会員様の見送りをしていたら、急に外国人の方が「Hi!」ってハイタッチをしてきたんです。それが実は社長だったと後で分かったんですが、接客を褒めていただいて、その後正社員として働くようになりました。社長がハイタッチするくらいオープンな会社ですし、上司の方が仕事ぶりを見てくださっているのは感じますね。
石田私は現在、マーケティング部のセントラルマーケティングマネージャーとして、主にチラシや倉庫店で展開するポップやバナーなど、印刷物におけるマーケティングツールを作っています。その他には、社内報や会員様向けの雑誌の制作にも携わっていて、蔭山にも企画段階で参加してもらっています。現在、私はちょうどコストコのコア会員の世代ですが、次世代の会員層にあたる蔭山などに入ってもらうことで、違う年代の人からいろいろなアイデアが出てくることを期待しています。
蔭山私は主に会員様向けのメルマガを週に4回ほど配信し、購買部が提出してきた文章の添削やレイアウト、デザインなどを担当と進めています。私の業務は、企業努力の成果を世に出すための橋渡しですから、その努力の結果はきちんと世に出したいと思っています。企業様に対しても、一緒に働いている方たちとも、全ての方に誠実かつ正確でいたいと思いますし、常にそのような気持ちで接するようにしています。
石田蔭山は、常にポジティブで、「できます」「やりたいです」という意欲が高く、常に前向きでいる姿勢が素晴らしいと思います。言われた仕事だけをやるのではなく、いつもその上を行き、周りをよく見ているので、気づきが多いですね。
蔭山もともと私は少し飽きっぽいところがあって、同じ状況下にいることが苦手なんですが、梨紗さんはそういった私の性格も理解してくださっていて、オフィスが離れているにもかかわらず、私の仕事ぶりをよく見てくださっているのを感じますね。私が「何かしたいな」と思い始めているタイミングで、新しい仕事を与えてくださいます。「私は梨紗さんがいるからここにとどまっているんです」と、よく言っているんですよ。
石田そうやって言ってくれるのは、うれしいですね。私も蔭山くらいの年にコストコに出会い、それまでは転職を重ねていて、私自身の飽きっぽさもあり、常に何か他のことができるんじゃないかという気持ちを抱いていたので、彼女の気持ちがよく分かるんです。彼女はやる気もあるので、なおさら「こういう仕事もしてみない?」という提案は、できる限りしたいと思っています。
蔭山私は本社に異動して3ヵ月くらいで、今まで契約していた名刺の印刷会社を変えたいと思ったんです。全倉庫店のすべての人の名刺が変わることなので、「難しいかな」と思ったのですが、「やってみたら?」と背中を押してもらって。現在コストコで使っている名刺は私が商談した会社のものになったのですが、異動3ヵ月であっても、やりたいということを任せてもらえることに驚きとうれしさを感じています。
石田入社3ヵ月、異動3ヵ月という時期は、実は一番いろいろなところに目が利くと思うんです。「なぜ?」というひらめきや疑問を大切に、社内に新しい風を常に吹かせてほしいと思っています。コストコにはマニュアル的なものはありませんし、どんどん自分たちで良い風に変えていける。会社のカルチャーとして、「常に良きものを、より良い商品を会員様に届けたい」という想いが根底にあるので、それがオフィスワークにも浸透しているんでしょうね。それがやる気にもつながりますし、常に変化があって私も飽きません。また、倉庫店のオープニングの時は、サポートもしなければならないし、新規入会も獲得していく必要がありますが、ラグビー日本代表のOne Teamのような「みんなでやろう」という一体感とワクワク感がいつもあって、楽しい職場です。
社員一人一人を尊重ワーキングマザーも働きやすい職場
蔭山私は産休・育休を取りましたが、勤務時間も調整してもらい、子供の体調不良など、緊急で早退することになっても、周りのメンバーがサポートしてくれます。弊社のように、働きやすくて時間の調整もしてくれる会社が増えてくれば、もっと女性が働くことが当たり前の世の中になるのではないでしょうか。自分が現在子育てをしながら働いていて、それが全然難しいことではないということを、この会社で実感しています。
石田私も出産を経てからの方が、コストコがより好きになりましたね。子供が低年齢の時はよく熱を出して早退することもありましたが、誰一人嫌な顔をしませんし、お互いに支え合っていることを実感しています。ワーク・ライフ・バランスが整っていることは、コストコの強みですね。だからこそ女性社員はみんな、出産をしても戻ってくるのでしょう。自分の子供にも、こうして働いている母親像を見て育ってもらえたらと思います。コストコはもともとアメリカ企業ですし、グローバルでダイバーシティーを掲げているので、一人一人の意見を尊重してもらえます。「グローバル」というと、世界に対してというイメージを抱きやすいですが、一人一人の個性が大切にされ、多様性のある働きやすい環境のことだと思います。「オープンドアポリシー」をモットーにしていて、上司も女性男性関係なくファーストネームで呼び合っているので親しみやすいですしね。
社会のため社員のため志を持つ人をコストコがサポート
石田コストコは、ビジネスを営んでいる地域のために貢献したいという思いがあり、地域のシェルターや養護施設などに物品提供などのサポートをしています。また、次世代の子供の育成にも力を入れていて、とある弁護士さんたちが立ち上げている子供シェルターへの寄付や、最近では給付型の奨学金制度も始めるなど、進学のサポートにも取り組んでいます。奨学金を受けている子供たちからは、前期と後期で学習の様子を書いたレポートを送付してもらっていますが、時にはお礼状を頂くこともあります。アルバイトをしながらでも、「この奨学金があるから学ぶことができる」と聞くと、うれしいですね。私自身も出産を経験して、子供に対する気持ちも変わりました。子供たちが頑張る姿勢をサポートしたいという気持ちがより強くなりました。従業員でやる気のある人たちを応援し、育てていく風土は、こうしたところにも生きているのでしょうね。
蔭山梨紗さんのように、上司が皆さん、ポジティブでいらっしゃることが、コストコらしさを表していますよね。部下がミスをしても、とにかくバックアップが手厚いんです。落ち込んでいても、前に前にと押し出してくださり、絶対に後退させない。私は部署に尊敬する上司がたくさんいます。女性管理職が多いのも特色ですね。少数精鋭の中で働かせてもらっている環境を生かして、皆さんの良いところを全て吸収したいです。
石田私は昨年マネージャーになったばかりで、やる気のある部下たちに仕事を与えながら、私も共に成長していきたいと感じています。オフィスが離れていることもあり、普段部下たちの仕事ぶりを間近で見ることはできませんが、「心は一緒にいるよ」と常々伝えています。失敗したことに対しても、上司が怒ることはありません。その理由を後で考える必要はありますが、それをリカバリーしてより良い結果を一つ見出せるようにすることを大切にしています。そういったコストコらしいカルチャーを、今後は後輩たちに伝えていきたいと思います。
これがあるから頑張れる!
- 石田 梨紗さん
- マーケティング部 セントラルマーケティングマネージャー
絶対的に守るべき、そして愛する娘の存在が、私の日々の活力です。彼女の笑顔と「ママ~」という声が仕事の疲れを癒してくれます。
これがあるから頑張れる!
- 蔭山 怜那さん
- マーケティング部
受付/マーケティングクラーク
元は出不精でしたが、子供が生まれてから車を買い、土日のどちらかは必ず外出するようになりました。今は子供との時間が最優先。
- コストコ ホールセール ジャパン株式会社
- アメリカ生まれの会員制大型倉庫型店。「経費を節約し、その分を会員に還元しよう」という企業哲学のもと、高品質な優良ブランドをできる限り低価格で提供している。コストコが誕生したのは1983年。ワシントン州シアトルの倉庫店から、その歴史はスタートした。当初は普通の倉庫店だったが、特定個人を対象とした大型会員制倉庫店というスタイルを確立し、人気をさらった。現在の社名である「コストコ ホールセール」となったのは1997年。全世界12ヵ国と地域に780倉庫店以上、24万人以上の従業員を抱えるグローバル企業となった。日本にコストコがオープンしたのは1999年で現在、全国に26倉庫店があり、従業員数は約10,000名を数える。
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- 本社:
- 神奈川県川崎市川崎区池上新町3丁目1番4号5F
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- 代表者:
- ケン・テリオ
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- 連絡先:
- TEL: 044-281-2600
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- URL:
- www.costco.co.jp