英文ビジネスメールの基本

グローバル化が進む現代社会において、英語は必須になってきています。日本で仕事をしていても、取引先や社内のネイティブスタッフとのやりとりで、読者の皆さんも英文Eメールを書く機会がますます増えてきていることでしょう。そこで、ジャパンタイムズの新刊書籍から、簡単な英文Eメールの書き方をご紹介しましょう。明日からでもビジネスの場面で使ってみませんか?

デイビッド・セイン

日本での30年にわたる英語教育経験を生かし、累計400万部に及ぶ著作を手がける。テレビ・ラジオ出演に加え、新聞各紙にも人気記事を連載。㈱AtoZ Education代表。

件名(Subject)

5ワード以内の簡潔な件名にする

毎日多量に送られてくるメールの中から、必ず相手に読んでもらうために重要なのが件名です。相手にひと目で用件が伝わるように、簡潔で具体的な件名にする必要があります。簡潔といっても、Problem(問題)、Question(質問)、Meeting(打ち合わせ)だけでは内容がわかりません。Problemであれば「何についての問題なのか」、Meetingであれば「いつの打ち合わせなのか」などを明確にしましょう。

Problem with the new system (新システムの問題)
Question about the budget meeting (予算会議についての質問)
Meeting on July 4 (7月4日の打ち合わせ)

ただし、具体的といっても長過ぎるのも用件がわかりづらいのでNGです。まずは5ワード以内の件名を心がけるとよいでしょう。よい件名の例をいくつか見てみましょう。

About contract mailed last night
(昨夜送付された契約書について)
last night やJune 19 のように時間帯や日付を入れると、用件が明確になります。

FYI — Your hotel in Washington
(ご参考までに—ワシントンの滞在ホテルについて)
FYIはfor your information (ご参考までに)の略です。

そのほか、件名について注意すべきポイントを確認しましょう。
● 自分の名前を使った件名を避ける(「山本です」のような件名)
● 迷惑メールに誤解される件名を避ける
● 件名すべてを大文字にしない
● トピックの変更に応じて件名を変える

件名だけで用件を伝える場合の注意点

ビジネスメールでは、以下のように本文を書かずに件名だけで用件を伝える場合もあります。

REPLY REQUIRED: Attendance at March 21 Party
(要返答:3月21日のパーティーの出欠)

ACTION REQUIRED: Please reserve the meeting room
(以下よろしくお願いします:会議室を予約してください)

このような場合、本文を書く必要はありません。しかし、空白のままにしておくと、相手が「実は何か書いてあったのでは?」と思うかもしれません。こうした事態を避けるため、本文にNT(No Text〔 テキストなし〕)と書いておくといいでしょう。

本文(Body)

本文を書く際に意識しなければならないのは、「シンプルに書く」ことです。特にビジネスメールであれば冗長なメールは禁物です。分量は内容によって異なるので一概には言えませんが、長いメールでも3段落から5段落程度に抑えるようにしましょう。

左揃えで書き、段落と段落の間は1行空ける

メールは基本的に左揃えで書きます。郵送する手紙のように段落の冒頭をインデント(字下げ)する必要はありません。段落が必要な場合は、段落と段落の間を1行空けましょう。

書き出しの決まり文句は必要?

日本のメールでよく見かける「お疲れさまです」「お世話になっております」「先日はありがとうございました」などの書き出しの決まり文句は、必ずしも必要 ありません。ビジネスメールの実例を見てみましょう。

アポイントメントを取る

Subject: Our production plans for next year

Dear Steven,

I'd like to talk to you about our production plans for next year. Do you have time to meet with our planning department on July 17 or 18?

If another date would be preferable, please let me know, and I'll arrange everything.

Thanks as always,
Yukiko Tanaka

件名:弊社の来年の生産計画
スティーブン様

弊社の来年の生産計画についてお話したいと思います。7月17日か18日に弊社の企画部と打ち合わせをするお時間はございますか?

もし、別の日程をご希望でしたら、お知らせください。すべて私が調整いたします。

いつもありがとうございます。
田中ゆきこ

スケジュ―ルが合わないことを知らせる

Subject: Re: July 17 visit

Dear Yukiko,

I talked with our staff, and I'm afraid we have other appointments later in the day.

Perhaps it would be best to reschedule the meeting for another day. We are available on July 20, 21, and 25. Would any of those days work for you?

Many thanks,
Steven

件名:Re: 7月17日の訪問

ゆきこ様

弊社のスタッフと話をしました。残念ですが、私どもはその日遅くに別の約束があります。

日程の再調整をするのがベストであろうと思います。

私どもは7月20日、21日、25日は大丈夫です。これらのうち、ご都合がよろしい日はありますでしょうか?

ありがとうございます。
スティーブン