アズビル株式会社
Kana Mizutani
水谷 佳奈さん
Eri Ebihara
海老原 恵理さん
男女の差を感じずに仕事に打ち込める女性に優しい会社
理系を選んだのは、将来を見据えてのビジョン
“計測と制御”の技術をもとに「人を中心としたオートメーション」を追求し、ビルディングオートメーション事業、工場やプラント市場でのアドバンスオートメーション事業、ライフオートメーション事業を展開するアズビル株式会社。ビルシステムカンパニー マーケティング本部環境マーケティング部環境制御グループと、技術開発本部基幹技術開発部コントロール技術グループに兼任で席を置く水谷佳奈さんと、人事部雇用開発グループの海老原恵理さんは、どちらも理系出身。社員の9割が理系出身という職場環境で、充実した日々を送っている様子がうかがえる。
水谷 理系に進んだのは苦手ではなかったから。大好きな古文では仕事につなげるのが難しいと思い、就職を見据えた現実的な選択でしたね。私の就職当時、アズビルの社名は山武といい、環境事業推進本部で人材を募集していました。専攻は建築の構造学でしたが、サステナブルに関することに興味があったことと、研究開発一色ではない職に就きたいと思っていたので、この会社に決めました。
海老原 私が理系を選んだのは将来を考える上で、選択の幅が広がると思ったからです。人と関わる仕事をしたいと考え、コンサルティングや金融関連の会社も就活中に見てみましたが、職場に理系の人が多い方が自分には働きやすいのではないかと思うにいたりました。アズビルを選んだのは、計測と制御という事業が面白そうだと思ったことと、社員の9割が理系出身だったから。学生時代の専攻は社会工学ですが、自ら人事を希望して配属されました。
水谷 佳奈 さん
ビルシステムカンパニー マーケティング本部環境マーケティング部環境制御グループ、 技術開発本部基幹技術開発部
コントロール技術グループ兼任
男女の差を感じずに仕事に打ち込める女性に優しい会社です。
生活のメリハリもいい仕事をするのに大切、プライベートも充実しています。
私の息抜き
箱根のあまざけ茶屋にて。ロードバイクで七曲りを登りきったあとのごほうびの甘酒
水谷 私が入社後に配属された環境事業推進本部は、新事業を担当する新しくできた組織でした。既存の事業と違い、上司や先輩もその事業については、新人と同じ。教育プログラムもなかったので、提案、分析、報告、事務処理など一連の仕事を先輩たちと一緒に担当し、とても鍛えられました。お客様とも近く、本当にいい経験でした。部門としては6年でクローズしたので、部門の立ち上げからクロージングまでの経験をできたことも貴重な体験だったと思います。
海老原 私は人事部に配属された翌年には、もう入社式の準備、企画、司会から内定者の管理まで任され、「このあいだ研修が終わったと思ったら、もうこんなに責任があることを任されるのか」と、うれしさよりも戸惑いを感じたことを覚えています。入社式は例年、アンケート結果の発表があるなど、楽しくて盛りだくさんなので、自分が担当した時も何かユニークな企画を実現したかったのですが、時間も経験も足りず、オーソドックスになってしまいましたね。少し後悔しています。
水谷 異動後は、主にビルの空調制御事業のマーケティングをしています。「電力システム改革」が進む中で、今ホットな話題の一つはデマンドレスポンス(DR)です。DRとは、電力の需要と供給のバランスを取るために、主として電力消費のピーク時に、需要家の電力使用を一時的に下げる仕組みのことです。アズビルはBEMS(ビルエネルギー管理システム)を活用したビルの省エネでシェアが高く、この省エネに使っているBEMSを、DRにも応用することができるのです。DRを行い、お客様に対価をお支払いする経済産業省の実証にも参加しています。国が推進する新たな市場に対し、既存ビジネスの強みを活かしたサービスを考え、いち早く取り組める仕事です。
海老原 私は新卒採用を担当しています。一年を通してインターンシップ、採用説明会、面接から内定者の管理など、常にやることがある状態ですね。
水谷 プロジェクトは時間がタイトなことが多いので、自分自身はもちろん、社内、クライアントも含めて関わる全ての人を同じスピード感に乗せなければいけません。人によって性格、働き方の違いがあるので、プレッシャーの大きいタスクです。私はチームで一丸となって目標に向かって進んでいく感覚が大好きなので、こういうプレッシャーはスリリングだと感じることができますが、そんなふうに前向きに考えられないタイプの人にはきついかもしれません。ビル事業という大きな組織に異動し、会社のメイン事業に関する理解が深まるにつれ、会社に必要なことも見えてきて、それを説明できるようになってきたと思っています。
覚えるまでは一つひとつの仕事が大変、それでもマイナスをプラスに転換
海老原 恵理 さん
人事部雇用開発グループ
「理系なら進路の選択肢が広がる」。理系の勉強が大好きというよりは、そんな軽い気持ちで進学。ほとんどの社員が理系出身というアズビルに就職することになりました。
私の息抜き
休暇を取ってスペイン旅行をするなど、上手にリフレッシュしている
海老原 慣れないうちは、とにかく一つひとつの仕事が全て大変に思えましたね。周りの人が話していることが専門的で自分だけ理解できないなど。会社のことをわかりやすく学生達に伝えるのも大切な仕事。日々の業務の中で精一杯吸収して学び、かみ砕いた言葉でアウトプットすることができなければいけません。自分がわかっているだけでは駄目なので、難しいですね。伝え方という点では、入社してから言葉の使い方をよく考えるようになったと思います。同じ主旨のメールを打つにも、読む相手によって言葉の選択を変えるなどして、一番よい伝え方を考えています。
水谷 人生の恩師だと思っている大学時代の先生が、「人生どんなことがあっても、絶対値をつけてしまえばなんだってプラスだよ」と教えてくれました。私は勝手に「人生絶対値理論」と名付けて自分の信条にしているんです。仕事をしていれば大変なこともたくさんあります。でも、マイナスは折り返してプラスにしてしまう。あとは生活のメリハリもいい仕事をするのに大切ですね。私はチームスポーツを観るのが大好きで、平日のプライベートな時間に録画した試合を観たいし、できるだけ残業しないように作業効率を徹底的に上げることを心がけています。私がチームスポーツを観るのが好きなのは、チームの一人ひとりがプロフェッショナルであり、自分の仕事をしっかりと遂行しながら勝利を目指す、その姿にたまらなく共感するから。私自身もそういうプロフェッショナルになって、皆でいい仕事をしたいし、そういう機会を増やしたいと思います。そのために、情報をフラットに流すなど、コツというか、必要なことは日々の仕事の中でも確実に行うようにしています。
海老原 私は負けず嫌いで、なんでもきっちりしているのが好きな性格なんです。でも、仕事においては白か黒かではなくグレーをとることが必要なことも多いので、そこはフレキシブルでいられるよう心がけています。何があっても10年間はあきらめないで働くと決めていますが、同時に頑張りすぎないように。私も水谷さんと同じように、仕事の生産性を上げ、残業はしない主義です。私のグループは会社の中では例外的に女性の割合が多くて、現在は私以外の女性は全員時短勤務です。そういう先輩の働き方を、将来の自分の働き方のロールモデルにしたいですね。あと、いずれは採用以外の仕事もしてみたいです。いろいろな経験をして自分の視野や幅を広げたいと思います。
簡単には動じない理系女子の強さを、仕事に活かしてほしい
水谷 アズビル社員の男女比は、男性83%、女性17%。男女変わらず活躍できる環境で、女性マネジャーも増えています。産休・育休後に「戻ってくるのが当たり前」という雰囲気が社内にあるので、ほとんどの女性社員が復帰します。
海老原 勤続年数を比較すると、女性が21年、男性20年と女性の方が長いのです。産休・育休が明けて復帰しても、例えば保育園から子供が熱を出したと連絡があれば、すぐに帰らなければならない同僚を気持ちよくサポートするのが当然の社風。人数だけ見たら女性ははるかに少数派ですが、とても働きやすい環境だと思います。
水谷 突き詰めると仕事をする上で男女、文理の差はないと感じますが、理系専攻の女子学生はまわりに男子が多いので、最初から男性、女性の区別なく働くことが自然なことという意識がある。そういう姿勢をそのまま持ち続けていれば、いい環境でいい仕事に巡り合えると思います。それから、理系の学びでは思うようにいかないことがたくさんあります。難しい授業、失敗してもやり遂げなければならない実験、自分よりはるかに優れた能力の学友に対する劣等感など、大変なことをたくさん経験して鍛えられているのが「リケジョ」です。社会に出て仕事をしていると、思うようにいかないこともたくさんある。そういう時にたじろがず、柔軟でいられるのが自分の強みだと思って自信を持ってほしいです。
海老原 理系の特徴である「論理的思考」と「結果に対して、なぜ、と突き詰めて考える習慣」は、会社に入って役に立ちます。自分のした仕事の結果を受け止めるだけでなく、その後ろにあるもの、そういう結果になった理由を考えるのは、自分を成長させる上でとても重要ですね。
取材・文/足立恵子、合津玲子、鈴木理恵子
写真/三浦義昭、川崎聡子
アズビル株式会社
1906年の創業以来、計測と制御という技術を追求してきたオートメーションメーカー、アズビル。
「ビルディングオートメーション」「アドバンスオートメーション」「ライフオートメーション」の3つの事業を推進し、オフィスや生産の現場、生活といった様々な場面で、「人々の安心、快適、達成感」、地球環境への貢献を実現する。
「お客様と共に現場で価値を創る」ことを掲げ、お客様の新たなチャレンジを支える長期パートナーとなることを目指す。
海外市場においても積極的に事業を展開。エネルギーマネジメント、安全・安心といった市場機会を捉え一層の成長を実現している。山武で100年、アズビルで10年、合わせて110年。アズビルグループは、「人を中心としたオートメーション」、つまり人々を苦役から解放し、喜びや充実感に満ちた幸せの創造を探求することを通じて、これからもお客様の現場で、お客様とともに新しい価値を創造し、様々な課題解決に貢献できる企業集団を目指し、グループ一体となって邁進していく。
- 本 社東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビル
- 代表者曽禰寛純
- 連絡先TEL: 03-6810-1000
- URLhttp://www.azbil.com/jp/