日本発・アジア発のグローバルコンサルティングファーム、アビームコンサルティング。日本に拠点を置き、世界36ヵ国・76拠点を超えるネットワークを通じて、幅広い業界・業務領域におけるコンサルティングサービスを展開する。グローバルスタンダードの型にはめるのではなく、現地の価値観や企業文化を重視したコンサルティングスタイルが強み。「リアルパートナー」としてクライアントに深く入り込み、経営・業務の課題を解決に導く。山崎智子さん、中山遼さんにコンサルタントとしてのキャリア、マネジメントに携わる魅力などについて伺った。
グローバルなシステム導入から、スポーツビジネスまで
山崎小・中学校の7年間、中国・北京で過ごしました。高校以降はずっと日本ですが、さまざまなカルチャーへの興味や多様な価値観を柔軟に受け入れる姿勢は、北京在住経験を通じて身についたのかもしれません。大学では社会学部で文化人類学を専攻。全くの文系ですが、自分がキャリアを築いていく上で、ベースとなるスキルを身につけたいという思いから、成長性・将来性の期待できるITの世界を志しました。大学時代に関わっていたアメフト部の先輩方を通じてコンサルタントの仕事や魅力について耳にする機会があり、コンサル業界を志望しました。戦略・企画の領域に携わる中で、実は地道に汗もかく仕事だということを知り、それも含めて「楽しめそう!」と感じました。
中山幼少期から小学生までオランダとインドネシアでの生活を経験し、大学では商学部で経営学・マーケティングを学びました。モノづくりの世界に興味があり、SPA(製造小売)業態のアパレル企業に新卒入社し、商品企画や経営企画を経験。転職のきっかけになったのは、経営企画時代、クライアントとしてコンサルタントと一緒に仕事をしたことです。自分と同年代かつ、アパレル業界の知識はさほどないにも関わらず、知力とコミュニケーション能力で経営陣と対等に渡り合い、本質的な課題を解決していく姿に「カッコいい!」と憧れました。コンサルタントとしてのキャリアを築こうと、入社4年で転職を決意。マーケティングのバックグラウンドを生かし、テクノロジーと論理的思考、分析力、折衝力を磨いて武器にできる、アビームコンサルティングの仕事に魅かれ、入社しました。
山崎入社後まずは国内で基幹システムの導入プロジェクトを3年間経験。チームの一員として先輩たちのもとで手を動かしながらITの知識とコンサルティングのスキルを一から身につけていきました。その後、日本企業の中国拠点に基幹システムをロールアウト(展開)するプロジェクトに参加しないかと声を掛けられました。中国への展開事例としては先駆け的なプロジェクトです。忘れかけていた中国語を思い出し、約1年半中国訪問・滞在し、プロジェクトに携わりました。
中山私はCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)セクターのコンサルタントとして、顧客データの分析に基づくマーケティング戦略の策定から実行支援まで、幅広く携わっています。入社後、主に携わってきたのはスポーツビジネスのプロジェクトです。特にJリーグ(日本プロサッカーリーグ)のモンテディオ山形の経営支援プロジェクトでは、3年にわたって家族と一緒に山形に移住し、腰を据えて取り組みました。現在は、別のスポーツのトップリーグで集客を増やすためのマーケティングを中心にしたプロジェクトに携わっています。
多様な価値観に寄り添う「リアルパートナー」
中山モンテディオ山形のプロジェクトでは、アビームが経営企画室として、主にクラブの経営支援を行なう中で、私も経営企画室の一員となり、集客のためのマーケティング支援などに携わりました。データやシステムは道具として役に立ちますが、実際に現場で手を動かし実行することが重要で、クライアントと一緒になってプロモーション活動やイベント開催を支援しました。アビームが大切にしている「リアルパートナー」となって課題を解決していくことで、実際に、観客動員数や売上を伸ばすことができました。ただ、私が関わっていた3年間、ずっとチームがJ2カテゴリにとどまっていたのが心残りではありますが…。
山崎私がアビームのコンサルタントらしい活躍ができたなと思うのは、やはり中国へのロールアウト・プロジェクトですね。自分たちの考え方を押しつけたり、グローバルスタンダードという名の枠にはめたりするのではなく、現地の価値観や企業文化を尊重するのが、アビームのコンサルティングスタイルです。中国に対しては、特にその姿勢が大切だと思います。プロジェクトの中で私が自認していた役割は、中国と長く関わってきたバックグラウンドを生かして、日本側と中国側をつなぐインターフェースとなること。両方の価値観やカルチャーを深く理解した上でのコミュニケーションを通じて、チームをスムーズに動かすことができ、プロジェクトの成功に貢献できたと思います。
中山モンテディオ山形のプロジェクトには一メンバーとして関わっていましたが、現在のプロジェクトでは3人のメンバーのリーダーとして集客支援などを手掛けています。コンサルタントという仕事には人やチームを動かすマネジメントの要素がつきものですが、今回、初めて自分の直属のチームを持っています。自分1人で成果を出すこととは違い、メンバー全員のアウトプットと成長をサポートする必要があります。「この作業は自分でやった方が早い」なんて思ってしまうことも多々あり、まだマネジメントの修行中です。
山崎私は入社後7年目から産休・育休を取得し、その後、いったんアビームを退社し、アメリカのメーカーに転職しました。4年間基幹システムのリニューアルなどに携わりましたが、プロジェクトの一段落と同時に自身のやるべきことも一区切りついたと感じました。改めて、日々新しいチャレンジのあるコンサルタントという働き方のメリットに気づき、2017年にアビームに戻りました。その後はグローバルなシステム運用保守サービスを担当しています。マネージャーとして、中国・米国・マレーシアの担当マネージャーたちと日々やり取りし、海外拠点との連携や体制整備に携わっています。
「子育て」と「マネージャー」を両立できる環境
山崎プロジェクト単位でコミットするコンサルティングという働き方は、プライベートと両立しやすいと実感しています。私はアビームで産休・育休を取得しましたし、海外出張は子どもが4歳になってから再開しました。アビームでは、メンバーもマネージャーも自分でタスクを管理し、クライアントとの関係性を築いて事情を理解していただきながら、働き方を自らコントロールするという考え方が根づいています。中山さんも育休を取得されたんですよね?
中山モンテディオ山形のプロジェクトから離れたタイミングで、家族との時間を取りたいと思い、「子育て支援休暇」と有給休暇を使い、1ヵ月間の長期休暇を取りました。アビームでは男性が育児のための長期休暇を取得することも珍しくないので、特に抵抗はありませんでした。1ヵ月間でしたが、家事・育児を終日行なうことに専念でき、充実した時間を過ごせました。休暇明けも、事前に「カウンセリング制度」を利用してアドバイスをもらい、スムーズに復帰することができました。まだ子どもが小さいので、家事・育児を妻と分担したいと思っています。日頃から業務を効率良く進められるよう工夫し、平日はできるだけ早めに退社できるよう、仕事をコントロールしています。私がこうした働き方をすることで、他のメンバーもプライベートとの両立を意識してくれると良いと思っています。男性の育休取得などをサポートするガイドブックが社内イントラに掲載されており、会社側のサポートも強力です。
山崎アビームは、日本発・アジア発のコンサルティングファームとして、日本やアジアでは知られています。特に、日本企業の海外展開をサポートしてきた実績は高く評価されています。しかし、グローバルで見れば、まだまだ知られていないのが現状です。4年間アメリカのメーカーで働いて痛感しました。だからこそ、大きな伸びしろがあります。今後は、アビームの価値をグローバルに訴求し、もっとプレゼンスを高めていきたいですね。
中山現在はシニアコンサルタントですが、今後はマネージャーへの昇格にチャレンジしたいと思っています。社内研修でロジカルシンキングの講師になるための認定試験にも合格しました。アビームに入社し、本当に多くの経験・知識を得ることができました。講師になるのは、そのお返しをしたいという気持ちもあります。本来、講師の役割を担えるのはマネージャーになってからですが、「ぜひチャレンジさせてほしい」と自分の思いを伝えて認めていただきました。仕事とプライベートを両立しながら自分とチームの成長につながるチャレンジを続けていきたいですね。
これがあるから頑張れる!!
- 山崎 智子さん
- P&T Digital ビジネスユニット
ITMSセクター マネージャー
チアリーダーをしている娘の頑張りを見ていると、私も応援されているような気分になって頑張れます。
これがあるから頑張れる!!
- 中山 遼さん
- P&T Digital ビジネスユニット
CRMセクター シニアコンサルタント
子どもが小さいので、家事・育児を分担するために、日々の業務を効率良く進めるよう工夫しています。
- アビームコンサルティング株式会社
- 1981年に日本で創立以来、多くの企業の経営・業務変革をサポートし、企業価値の向上に貢献。世界36ヵ国、76拠点に提携パートナーを有する。戦略、業務改革、IT、人事、アウトソーシングなどの専門知識を元に地域・業界ごとにサービスを提供する総合コンサルティングファームとして、経営理念に“Real Partner”を掲げ、クライアントとの中長期的な関係性を重視。現在はワークスタイル変革“Business Athlete”を推進し、働き方改革・多様性の尊重・健康経営にも全社で取り組んでいる。社員一人一人が価値観やライフイベントに合わせた働き方とキャリアパスを選択し、周囲がその多様性を尊重しつつ相互に刺激し合う組織としてのイノベーションと社員の自己成長を両立するプロフェッショナル集団を目指す。
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- 本社:
- (東京オフィス)東京都千代田区丸の内1-4-1
丸の内永楽ビルディング24階
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- 代表者:
- 岩澤 俊典
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- 連絡先:
- TEL: 03-6700-8800
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- URL:
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