米国を本社とする素材科学会社の日本法人、ダウ・ケミカル日本株式会社。イノベーションとグローバルなスケールを基盤とし、包装材、機能材、工業中間体などの革新的な製品やソリューションを顧客へ提供している。性別、国籍、年次、経験の垣根を超え、社員一人一人のチャレンジ精神をサポートする風土がある同社では、多くの女性社員が活躍中だ。今回は、子育てをしながら研究開発部門でプロジェクトリーダーも務める澤山さゆりさんと、営業部でアカウントマネージャーを務める入社2年目の平野花怜さんに同社を選んだ理由や魅力について伺った。
グローバルな環境で目標に向かってチャレンジできる
澤山大学時代に化学を学んできた経験を生かし、入社以来ずっとシリコーンの研究開発に携わっています。中でもファンデーションやサンケア商品など、化粧品の原料に使われるシリコーン製品の研究を担当しています。大学時代の研究とは違ってさまざまな規制や制約の中で新しいものを生み出す難しさがありますが、「思い通りにいかないからこそ面白い」とも言えます。今日まで続けてこられたのはチームで協力しながら一つ一つ壁を乗り越えていく達成感があるからこそ。最近は自分自身の開発の仕事の他、プロジェクトリーダーにも挑戦しています。
平野私はシリコーン製品の営業を担当しており、さまざまな業界の開発案件に取り組んでいます。自動車や製紙、塗料など多岐にわたる業界の方々とコミュニケーションを取る機会が多いので、日々勉強です。この仕事をしてみて、一つの商品が出来上がるまでにこんなにも多くの人の想いが込められ、時間をかけて作られていることを知り、驚きました。営業職は「お客さんが求めていることは何か?」という意図をきちんと汲み取ることや、それを社内へ確実に伝えるためのコミュニケーション能力が求められる仕事。まだまだお客さんや社内の先輩方から教えていただくことが多いのですが、自ら目標や計画を立てながら課題をクリアしていきたいと思っています。
澤山この会社を選んだ理由は、シリコーンという素材に関心があったこともそうですが、日本にいながら海外のメンバーと仕事をする機会が得られることに魅力を感じたからです。海外メンバーが加わってチームを組むこともあったり、全社的なメールのやり取りはほぼ英語、プロジェクトが始まるとマイルストーンごとに海外に向けてプレゼンテーションをする必要があります。また、日常的に海外の人とやり取りをするため、それぞれの国の仕事の仕方や人々の考え方に触れることができます。私は幼少期に3年間、ドイツに住んでいました。その頃の経験が、「いつかグローバルな環境で働きたい」と思うきっかけになったと思います。実際に海外の方々と一緒に働いて感じるのは、プライベートを尊重し、休むときは休む、働くときは働く、というメリハリがあること。個人の役割を明確にする部分も働きやすいと感じています。
平野大学時代は国際経営学を専攻し、化学を学んだことはありませんでしたが、国内外のビジネスの動きを肌で体感してみたいという思いから化学メーカーを志しました。カナダやアルゼンチンへ留学した経験から英語を存分に生かせる環境を視野に入れて就職活動する中で、ダウに会社訪問したところ、先輩方から、「年齢や性別に関わらず手を挙げる人にはチャレンジする機会を与えてくれる場所だよ!」と聞いて心をつかまれたのを覚えています。面接でのやりとりからも、社員の意欲や想いに耳を傾けてくれる会社だと肌で感じ、「ここで働きたい」という気持ちが強くなりました。実際に入ってみると自分自身が明確なビジョンを持つことでキャリアアップしていける環境だと分かりました。
結果を出すための働き方は自分で選択できる
澤山私は時短勤務やフレックス制、在宅勤務などを活用しながら仕事と子育てを両立させています。子供の急な発熱により保育園から呼び出されることもありますが、自分で自由に働き方を考えて調整することができるので助かります。時差のある海外メンバーとの打ち合わせは、在宅で電話ミーティングをすることも。「環境が整っているから働きやすい」というより、「結果を出すためにその人のライフスタイルに合わせた方法を受け入れてくれる」という方がふさわしいかもしれません。休暇も取りやすく、出勤時間も人によってさまざま。それぞれが効率よく働ける方法を模索し、実現しています。結婚や出産を経てライフスタイルが変わっても個人を尊重し裁量に任せてもらえるので、仕事を続ける上でのモチベーションにもつながっています。
平野営業職でも出産後に復帰された方がおり、そうした先輩方の姿を間近で見ているので、私自身も将来をポジティブにイメージすることができて心強いです。また、社内で「こういう目標を実現したい」という意志表示をして、部署を異動したり、ポジションが変わったりする方が多いので、私自身も「今後、自分のキャリアをどう広げていくか」という視点も大切にしていきたいです。営業の仕事に加え今、私が力を注いでいる活動がWIN(Women's Inclusion Network)です。メンバー12人の中でリーダーを務めており、活動の一環として外部で活躍するリーダーの方々をゲストに招いた講演会を企画しています。講演者は女性が多いのですが、「どのようにこれまでキャリアを積んできたのか」「自分に自信を持つために大切なことは何か」など、ご自身のストーリーを共有していただき毎回刺激を受けています。輝いている人に共通しているのは、日々の努力を怠らないことはもちろん、仕事を何より楽しんでいるということ。お話を聞くことで、「全ては自分次第なんだ」ということを改めて学ばせていただいています。
澤山私は今、開発の仕事と並行してプロジェクトリーダーを務めています。上司から声を掛けていただき、初めは迷いましたが、視野を広げるためにもチャレンジすることにしました。やってみて実感するのは、コミュニケーションの大切さ。「今、どういう状況で何をする必要があるのか」を常に考え、チーム全体が同じ共通認識を持つために、定期的にミーティングを開いたり、必要なときは個別で話を聞いたりしています。自分自身の研究も同時進行で進めているので、ついつい研究にのめり込みがちですが、リーダーとしてプロジェクト全体を俯瞰して、常にタイムラインを把握しながら優先順位を決めるように心掛けています。
平野私も営業の仕事を通してコミュニケーション能力を高めていく大切さを痛感しています。自分が一方的に話すのではなく、お客さんと対話し、その中から次につながりそうな言葉をピックアップし、相手を理解するための質問につなげていきたいと考えています。営業職の新入社員は、現場に出る前に海外の同期と共に営業研修を受けるのですが、そこで学んだスキルはどれもビジネスを進めていく上で重要なものばかりでした。例えば、トレーナーを顧客と仮定して、営業のシミュレーションを行なった時には、相手の意見を尊重すると同時に自分の考えもしっかりと相手に伝える大切さを学びました。こうして学んだことを実務の中で、自分のものとして落とし込めるように磨きをかけていきたいです。
目標を持ち続けることで道は拓ける
澤山私には今後、研究開発の道を極めるのか、マネジメントの道を歩むのか、2つの道があります。これまでは一つの部署で一つのことを深掘りしてきましたが、違う分野や役割にもチャレンジして視野を広げていきたいと考えています。ダウには、世界中の空いているポジションをシステム上でチェックできる社内公募システムがあります。基本的には、自分で手を挙げることでキャリアアップしていく会社なので、日々アンテナを立てながら常に新しい目標を持ち続けていたいですね。新卒からずっと勤めてきましたが、やはりこの会社の魅力は「多様性を受け入れてくれること」。個人個人のやり方を尊重し、年齢や経験に関係なく一人の人間として認めてもらえる社風に魅力を感じます。
平野自由度が高く柔軟なところは、外資系ならではの魅力だと感じています。仕事については、課題についてどう取り組むか、自ら目標や計画をどう立てるかということが重要視されます。自立を求められる一方で、必要なときは上司や先輩方が快くサポートしてくれるため、社内でのコミュニケーションは取りやすいです。部署を越えて情報交換できる体制が整っていますし、世界中に支社があるため、国を超えて相談や協力をしてくれる仲間がいるのも心強く、刺激にもなります。入社して1年がたち課題がいろいろ見えてきた状況なので、一つ一つ自分のやり方を確立して、お客さんにとってよりよい提案ができるようにこれからも努力していきたいと思っています。
これがあるから頑張れる!!
- 澤山 さゆりさん
- 研究開発部 研究開発部門 研究員
家族と一緒に過ごす時間があるから頑張れます。今はまだ手のかかる毎日ですが、息子たちの成長が楽しみです。
これがあるから頑張れる!!
- 平野 花怜さん
- 営業部 アカウントマネージャー
学生時代のように、バックパックの旅にまた行きたいなと思っています。文化の違う地域の人たちと触れ合うのが好きです。
- ダウ・ケミカル日本株式会社
- 米国ミシガン州に本社を置く素材科学会社である、ダウの日本法人。日本における事業活動の歴史は長く、ダウ日本は日本で外資の企業活動が自由化されたことを契機に1974年に設立された。現在、グループ会社である、シリコーンを中心とした高機能素材を提供するダウ・東レと合わせ、約850名の従業員が、4ヵ所の製造拠点(小松、千葉、名古屋、福井)を含む6ヵ所の主要拠点において、包装材、機能材、工業中間体など次世代のソリューションを通じてコンシューマー・ケア、インフラそして包装業界におけるお客さまをサポート。ダウはオリンピックの公式化学会社であり、2020年東京オリンピック開催も支援している。