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グローバル企業で働く社員キャリアレポート

Career Report
キャリアアップを目指せるオープンな職場で
社会に新しいライフスタイルを提供

コストコ ホールセール ジャパン株式会社
富澤 淳二さん×谷川 彩佳さん

富澤 淳二さん
三木物流センター
センター長
2000年、幕張倉庫店のオープニングスタッフとして、タイヤセンター正社員で入社。その後スーパーバイザー、マネージャー、副倉庫店長を経験し、2009年よりセンター長として物流センターの開業に携わる。
谷川 彩佳さん
三木物流センター
アドミニストレーションマネージャー
大学卒業後、飲食企業勤務を経て2011年に入社。尼崎倉庫店メンバーシップ、アドミニストレーション、荷受けを経験。レジ部門スーパーバイザー、三木物流センター アドミニストレーションスーパーバイザーを経て、2016年より現職。

倉庫スタイルの店舗で、高品質な優良ブランドを、より低価格で提供するコストコ ホールセール。アメリカに本社を置き、世界12ヵ国に780以上を展開する会員制大型倉庫店のグローバルチェーンだ。日本では1999年に福岡へ初めて出店して以来、現在では26倉庫店を数え、今後も新しい市場を視野に入れて倉庫店を増やしていく予定だ。コストコでは、自らキャリアを築いていく「社内公募制度」をはじめ、性別や年齢、国籍等を問わず平等にチャンスがある「機会均等制度」など、能力次第で自発的にキャリアアップを目指せる環境が整う。同社三木物流センターのセンター長・富澤淳二さん、同アドミニストレーションマネージャー・谷川彩佳さんに、これまでの働き方や、コストコの魅力、今後の展望などを伺った。

「オープンドアポリシー」で誰もが活躍できる職場づくり

富澤知人から「千葉の幕張にコストコというお店がオープンする」と聞いて応募し、働き始めました。海外志向など全くなかった私ですが、コストコで20年働くうちに、アメリカに本社を置く会社ならではの自由度の高い企業風土に魅力を感じ、今では海外旅行が趣味だと言えるまでに志向が変わりました。

谷川私は父が一時期、アメリカで勤めていたこともあって、アメリカ文化や生活への憧れを持っていました。就職する前から日本に出店したコストコへ買い物に行くことがあり、日本のスーパーにはないような大きなショッピングカートからトイレの仕様に至る細かなところまで、アメリカが「そっくりそのままそこにある」という雰囲気が懐かしくもあり、大好きでした。大学を卒業した後、飲食関係の企業に一度は就職しましたが、もっとチャレンジできる企業で働いてみたいとの思いが強くなり、自分の強みである語学力を生かそうと、コストコへの転職を決めました。

富澤「オープンドアポリシー」をモットーとするコストコでは、従業員一人一人のアイデアをみんなで共有し、上層部とも気軽に話ができる、自由な企業風土が根づいています。私は現在、物流センターのセンター長として、各部署でのミーティングや各部署代表が集まる会議などを通じて、自分がこれまでコストコで働いてきた経験やその中で感じてきた思いを従業員たちに話し、コストコの文化を伝えています。

谷川私は現在、経理、人事、庶務を担当するアドミニストレーションのマネージャーとして、物流センター全体をサポートしています。社内にはチャレンジ志向の人もいれば、大きなキャリアアップを敬遠する人もいます。たとえ、ある従業員が大きな環境変化を望んでいなくても、会社としてどのようなサポートができるかを考えながら、一人一人がキャリアアップしていく支援をしたいと考えています。仕事をする上で大切なのは「ワークライフバランス」をいかに取るかということ。クオリティーの高い仕事のためには、私生活が充実し、仕事とのバランスがしっかり取れていることが必要です。コストコにはそれを実現できる環境があり、従業員がワークライフバランスを保つことができるように、その考え方を浸透させていくのも、私の重要な役割だと考えています。コストコは性別や年齢、国籍を問わず「ダイバーシティー」を基準に掲げています。みんなが同じ土俵に立ち、さまざまなバックグラウンドを持つ人たちが意見を出し合ってこそ、会社の成長につながると思います。

富澤物流センターで働く従業員102名のうち、59%を女性が占めるという比率の高さは、コストコの特色の1つだと言えるでしょう。これだけの規模のセールスを支える物流の拠点をこの人数でコントロールするには、生産性が問われます。そのため、徹底したコスト削減、そして合理化かつ簡素化を追求しています。例えば、コストコが北米で使用しているパレット規格を日本でも同様に使用することで、コストコのダイナミックでシンプルなオペレーションが可能になります。アメリカ本国で行なっていることをいかに日本に当てはめることができるのか、そして、日本の法律に照らし合わせたうえで、日本の文化に合わせてどれだけ実現することができるかを念頭に置いています。

人とのつながりを大切にライフスタイルの変化にも影響

富澤技術が発達し、無人化や機械化が進み、雇用が減少する中でも、コストコでは「人がやる」ということに重きを置いて、雇用を大切にしています。コストコが出店することで人の流れを作り、地域の活性化につながるように努めています。また、コストコの成功によって、協力会社さんやベンダーさん、取引業者さんなどが共に成功し、win-winの関係を築くことができたらと思っています。

谷川そうですね。コストコでは倉庫店のある地域に根差したご当地アイテムなども取り扱うことがあります。チェーン展開にはない地域性を生かしたセールスも打ち出すことで、地元企業の売り上げにも貢献できたらと思います。

富澤コストコが日本に出店した当時は、消費しきれないなどといった理由から、「まとめ買い」に抵抗を感じる方が多かったのですが、現在ではその文化が日本にも随分浸透してきたように思います。アミューズメント感覚で買い物ができることが、コストコの魅力ではないでしょうか。普段は買い物嫌いなお父さんが、日曜日になると「コストコに行くぞ!」と気合が入ったりする…といったうれしい話もよく耳にします。ワンフロアで全て買い物が完結し、ひと昔前までは抵抗のあった「まとめ買い」をするようになったり、バーベキュー用品を揃えたりするなど、実にさまざまな目的でご利用いただいています。今では日本でも当たり前に売られている海外の人気商品もいち早く取り扱うことで、商品を通じてライフスタイルを発信しているという実感があります。

谷川コストコのマーケティングの手法としては、広告の出稿は基本的にしていません。女性誌などの記事で多く取り上げていただくことにより、お友達同士でご来店いただき、それをきっかけに口コミで広がって…という具合に、良い方向に進んでいると思います。私も友人をコストコに連れて行くことがありますが、初めて倉庫店を訪れると、みんな喜んでくれます。うれしそうに買い物をしている友人を見ると、私自身もお客さんとしてコストコを利用していた当時の自分を思い出し、原点回帰できます。

富澤昨年は台風21号が関西に上陸した影響で、関西国際空港の滑走路が高潮で閉鎖し、暴風で流されたタンカーが連絡橋に衝突して、物流が止まってしまう事態が起こりました。しかし、物流が止まったとしても倉庫店への商品の供給を止めることはできません。また、コストコは県や市と災害協定を結んでいるので、被災地に水や紙などの日用品を供給する責務も担っています。東日本大震災の時もそうでしたが、物流センターが被災しながらも、国内で品薄になった商品に代わって、海外から水や紙をたくさん輸入し、供給するという輸送ルートを構築することができました。そういった状況ではセンター長である自分の手腕が問われますし、そのような時こそ力を発揮できなければならないと思います。輸入品による商品供給ができることも、コストコの強みであると言えます。

倉庫店を基盤とし新たなビジネスにも挑戦

富澤今年はコストコでもネットショッピングが始まる予定です。eコマースビジネスを成功させるためには、物流センターとしてこれまで以上の稼働が求められます。現在は常温倉庫と冷蔵・冷凍の倉庫を運営していますが、今後はそれに加えてオンラインの運営も必要です。自分にとって未知数であり、チャレンジングなプロジェクトになると思います。ただし、コストコの基本的な理念としては、これまでと同様に倉庫店での販売が軸であり、それは一切変わりません。あくまで倉庫店での販売をサポートするためのオンラインビジネスという位置付けです。これからも、いかに倉庫店を盛り上げていけるかがカギとなるでしょう。

谷川eコマースビジネスについては現時点ではまだ手探りのことが多いのですが、私の立場から言えば、従業員へのより細やかなサポートが必要になってくると思われます。また、今後も倉庫店は国内で増えていきますので、さらに従業員を雇い、育成していくことが急務です。コストコは社内公募制を取り入れていますから、一定のポジション以外の職種は挙手制となります。だからこそ、従業員が「今はやめておこう」と躊躇していると、昇進のチャンスを与えることもできません。そのためにも、いかに従業員のモチベーションを上げていくことができるのかがカギになると考えています。

これがあるから頑張れる!!

富澤 淳二さん
三木物流センター センター長

ハワイ・オアフ島にて。Vacationでビーチリゾートに家族と行くことが仕事へのモチベーションになっています。

これがあるから頑張れる!!

谷川 彩佳さん
三木物流センター アドミニストレーションマネージャー

秋田県・田沢湖にて。旅行先では大自然の中でのアクティビティーでリフレッシュしています。

コストコ ホールセール ジャパン株式会社
アメリカ生まれの会員制大型倉庫型店。「経費を節約し、その分を会員に還元しよう」という企業哲学のもと、高品質な優良ブランドをできる限り低価格で提供している。コストコが誕生したのは1983年。ワシントン州シアトルの倉庫店から、その歴史はスタートした。当初は普通の倉庫店だったが、特定個人を対象とした大型会員制倉庫店というスタイルを確立し、人気をさらった。現在の社名である「コストコ ホールセール」となったのは1997年。全世界12ヵ国と地域に780倉庫店以上、24万人以上の従業員を抱えるグローバル企業となった。日本にコストコがオープンしたのは1999年で現在、全国に26倉庫店があり、従業員数は約9,500名を数える。
コストコ ホールセール ジャパン株式会社

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