The Japan Times

SPRING 2018仕事の転機をつかむ!!

仕事の選び方・転機 ダイバーシティ推進企業特集

Career Report
マニュアルなしでクリエイティブに楽しさ、実績がフェアに認められる職場環境

コストコ ホールセール ジャパン株式会社

コストコ ホールセール ジャパン株式会社
井上 藍さん×西谷 志津子さん

どう自分に合った働き方を模索し、キャリアアップを図ればよいのか、また今の時代、どのような人材が求められているかは誰もが気になるところ。
現在の職場を選んだきっかけ、仕事を進める上での信念などと合わせ、話を聞いた。

井上 藍さん
商品購買部バイヤー
アメリカの大学を卒業後、2005年入社。多摩境倉庫店でレジ担当を2年半経験し、本社商品購買部へ異動、アシスタントバイヤーを経て現在のバイヤー職に。
西谷 志津子さん
商品購買部ソフトライン副部長
アメリカの大学を卒業後、2004年入社。店舗運営監査からスタートし、2005年に商品購買部バイヤーとなる。2016年に副部長に昇格。10歳になる一女の母。

学生時代から身近な存在だったコストコでキャリアを積む

アメリカ・シアトル生まれのリテール大手、会員制大型倉庫型店のコストコ。1983年の創業以来、優良ブランド商品を低価格で販売するスタイルで消費者に支持され、全世界に740倉庫店を数える。日本では1999年にコストコ ホールセール ジャパンが設立され、現在26倉庫店を展開中だ。人事面では、完全能力主義、オープンドアポリシー(上司と相談しやすい社風)、性別や国籍にかかわらずチャンスが与えられる機会均等制度を掲げ、優秀な人材の確保に取り組んでいる。商品購買部ソフトライン副部長の西谷志津子さん、同部バイヤーの井上藍さんに、コストコを選んだ理由、転機や現在の働き方について語っていただいた。

西谷アメリカの大学に留学していたころ、ショッピングやマーケティングの授業の事例研究を通じて、もともとコストコには親しみを感じていました。夏休みに帰国中、実家のある福岡県の日本の1号倉庫店に母と買い物に行ったら、アメリカのコストコの雰囲気そのままでびっくり、わくわく、うれしく思いました。こんなことがあって縁を感じ、大学を卒業して日本に帰国してからスタッフ募集に応募しました。採用されてから、ずっとコストコで働いています。最初は、オペレーションオーディターという倉庫店の運営監査を担当しました。その後、2005年にまったく毛色の異なる購買部からのオファーで異動し、バイヤーとして8部門を経験し、2年前に非食品全般を扱うソフトラインの副部長に昇進しました。

井上留学先がコストコの本拠地で、1号倉庫店を出したシアトルでした。コストコには愛犬のペット用品などをよく買いに行っていたので、西谷と同様、なじみがありました。大学卒業後、多摩境倉庫店で2年半ほどレジを担当した後で本社の商品購買部に異動してきてから、丸10年になります。

西谷私の最初の倉庫店運営監査というポジションは当時、日本のコストコにまだなかったんです。そのため、US本社でトレーニングを受け、帰国後もUSのオーディターたちに教えられつつ、ゼロから業務体制を整えていく経験をしました。新しいことに取り組む難しさと同時に、達成感や楽しさも感じられる仕事でした。監査では各倉庫店を回って多くの部門のスタッフと話をするため、コミュニケーション能力を磨くことができました。

井上私の場合は、現場トレーニングとして倉庫店を経験してから、自ら希望を出して本社に異動してきました。試験や面接ではチームワークについて考える機会がありました。中には難しい内容もありましたが、やる気のあるスタッフや結果を出せるスタッフには、積極的に昇進や異動のチャンスを与えるという会社の方針の表れでもあると言えると思います。同時にコストコ社員はチャレンジ精神に溢れていて、オープンポジションがあった際には常に「I'm ready!」の心構えで積極的に挑戦します。社内公募はキャリアを自分自身で作り上げることができます。今は、毎日が充実しています。

西谷私は2年前に現ポジション(商品購買部ソフトライン副部長)に昇進したのですが、実はこの職に就くかどうか、かなり迷いました。というのも、このポジションには1年に約3〜4回、1回の滞在が1〜2週間に及ぶ海外出張があります。子育て中のため、仕事と家庭の両立に不安があったんです。一方、キャリアアップしたい気持ちもあり、会社ではチームメンバー、家庭では夫や実母、義母に相談しました。夫は「トライしてみてうまくいかなかったらまた考え直せばよい」と背中を押してくれ、ほかの皆さんも受け入れてくれたので、決心することができました。仕事と家庭の両立は一人ではできません。家族や働く仲間の理解と協力が不可欠で、周囲の人たちとよく話し合ってよい関係を築き、お互いに助け合うことが大事だと思います。

井上家族の協力は本当に大切ですね。昨年結婚したのですが、通勤時間の関係などで夫のほうが早く帰れる日が多く、夕食の支度は夫がほとんどしてくれるのでとても助かっています。会社としても、コストコではワークライフバランスへの配慮として「残業をしない、させない」方針を徹底しています。定時は9〜18時ですが、17時くらいからチーム内で声をかけあい、その日の仕事が終わりそうもない人がいれば手の空いている人が手伝うなど、チームとして残業なしを達成できるように工夫しています。フェイストゥーフェイスで社員同士のディスカッションを重ねることは、さまざまな意見を聞くことができるので勉強になります。短時間の打ち合わせをよくするのですが、こうした話し合いは「自分は何をしたいのか」を意識するきっかけにもなります。

お客さまに満足してもらう商品選びがやりがい、仕事で大切なのはコミュニケーション

西谷購買部は、商品を選定・導入する段階から販売やプロモーションまで、長い時間をかけて多くのステージに関わります。インテリアグッズやキッチン家電などを担当しているので、季節や気候なども大きく影響します。商品の入れ替えや売り上げの変化も激しく、商品選びや見せ方には創意工夫が必要ですが、そこがいつも新しいチャレンジであり、やりがいを感じるところですね。

井上アシスタントとしてバイヤー4人の上司の下で働いたころ、西谷を含めそのうち3人が女性でした。私は自分が評価されたいことよりも「何とかその人の役に立ちたい、その人の成績に貢献できることがしたい」という気持ちがモチベーションになっていました。男性の上司も含めて、自分もこうなりたいなというロールモデルになる上司に恵まれたのはラッキーでした。仕事で大切にしているのは、コミュニケーションです。お取引先との連絡では、メールだけでは誤解を生じてしまうこともあるので、メールを送ったら電話でフォローするなどします。また、選んだ商品を倉庫店にどう置いてもらうかなど倉庫店スタッフとも密な連携が必要ですし、チーム内でも連絡はメール任せにしないで、お互いに声がけすることを心がけています。チーム全体で仕事を時間内に終わらせようとすると、自然とオーガナイズする力もついてきていると感じます。こうした行動が習慣づけられているのは、これまでの上司の指導も影響していますね。

西谷私は管理職として、常に前向きであろうと心がけています。「できない」ではなく「どうすればできるか」を30人ほどいる部下たちと一緒に、みんなで考えることを導いていかなければならない立場なので、それがとても大事になってくるんですね。ネガティブになってしまっている部下がいたら「何がどうダメだ、無理だ」と思っているのか、話をよく聞いて一緒に探り出すなど、コミュニケーションを大切にしているのは、井上と同様です。みんな性格も得手不得手も違うので、それぞれに合ったやり方で各自が自分の能力を最大限に引き出せるように手助けする。管理職に求められるこうした「Keep teaching and coaching」の姿勢は、マニュアルがあるわけではないのですが、歴代の上司から部下へと受け継がれているコストコの企業文化と言えますね。

有名無実でない機会均等制度、能力次第でキャリアアップが可能

井上当社は機会均等制度が徹底しています。本社にも倉庫店にも、アメリカはもちろん、中国・韓国・フィリピンやベトナムなどアジア系を中心に、いろんな国籍の同僚と共に働いています。LGBTの同僚もいたりします。

西谷部門を超えて女性管理職で集まる「ジャーニーズ」という社内交流会、勉強会もあります。いろんな部門の女性管理職が集まり、お互いに悩みを共有したり、何かと相談しやすい場となっています。もちろん、関心のある男性の参加者もいますよ。バイヤー職として日本のコストコで初めて産休を取ったこともあり、現在ジャーニーズの日本本社運営委員を務めています。その後、産休を取得して復職するスタッフがかなり増えてきたのはうれしいことですね。当社の産休後の社員の復職率は、現在ほぼ100%近いんですよ。当社にはマニュアルがありません。ゴールを達成できれば、自分で考えたそれぞれの方法で進んでよい、という考え方をします。そのため、自発的でクリエイティブに働く能力が求められるので、そういう働き方をしてみたい方に向いている職場環境と言えるでしょう。自分自身の経験から、前向きな姿勢、チャレンジ精神、商品に対する情熱を持ち、それをムラなく継続させることができれば、必ずキャリアアップのチャンスを与えられる会社だと思っています。興味を持たれた方は、ぜひ応募してみてください。

井上 藍 さん

これがあるから頑張れる!

商品購買部バイヤー
井上 藍 さん

不定期で開催される会社の仲間たちとの飲み会。ポジションや社歴など関係なく、みんなでワイワイ楽しむ時間です

これがあるから頑張れる
西谷 志津子 さん

これがあるから頑張れる!

商品購買部ソフトライン副部長
西谷 志津子 さん

家族と行ったハワイ。毎年の家族旅行があるから頑張れます

これがあるから頑張れる
コストコ ホールセール ジャパン株式会社
アメリカ生まれの会員制大型倉庫型店。「経費を節約し、その分を会員に還元しよう」という企業哲学のもと、高品質な優良ブランドをできる限り低価格で提供している。コストコが誕生したのは1983年。ワシントン州シアトルの倉庫店から、その歴史はスタートした。当初は普通の倉庫店だったが、特定個人を対象とした大型会員制倉庫店というスタイルを確立し、人気をさらった。現在の社名である「コストコ ホールセール」となったのは1997年。現在、世界における小売業ランキング、アメリカにおける小売業ランキングともに2位。全世界11カ国と地域に740倉庫店以上、24万人以上の従業員を抱えるグローバル企業となった。日本にコストコがオープンしたのは1999年で現在、全国に26倉庫店があり、従業員数は約9,000名を数える。
コストコ ホールセール ジャパン株式会社

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