SPRING 2019グローバルな会社で働く!

グローバル企業で働く社員キャリアレポート

Career Report
豊富な知識でクライアントの要望をかなえ
必要とされるプロフェッショナルを目指す

KPMGコンサルティング株式会社
麻生 多恵さん×佐野 夏子さん

麻生 多恵さん
パートナー
大学卒業後、ITコンサルティングファームに就職。2005年、KPMGビジネスアシュアランス(現KPMGコンサルティング)に入社。以来、一貫して金融業界関連業務に従事。現在、金融セクターのパートナーであり、KPMGコンサルティング唯一の女性パートナー。
佐野 夏子さん
マネジャー
ITベンダー入社後、アメリカ本社で数年勤務。その後、金融業界へ転職。2018年5月、KPMGコンサルティングに入社後は、豊富な知識とコミュニケーション能力を生かし、金融セクターのマネジャーとして活躍。

ITに関わる前職を経てコンサルティング業界の仕事に邁進する

KPMGジャパンは、監査、税務、アドバイザリーの3つの分野にわたるプロフェッショナルファームによって構成されている。KPMGコンサルティング株式会社はアドバイザリー領域をカバーしており、企業を事業変革やテクノロジー変革、リスク&コンプライアンスの分野から支援する。麻生多恵さんと佐野夏子さんは、それぞれの道を歩みつつ、キャリアを重ね、同社へ入社。プロフェッショナルとして活躍しているお二人の経歴と信条や今後の展望について伺った。

麻生私は、大学時代、農業の情報化を研究する中で、社会全体の動きと情報システムをどう融合させられるか、ということに興味がわき、卒業後はITコンサルティングファームに就職。主にIT導入のコンサルティングを担当しました。しかし、経験を積むにつれて、IT領域だけでなく、経営課題や経営に関わるリスク全般に対し、もっと違ったコンサルティングをしてみたくなりました。それで、入社から6~7年たった頃、当時リスクコンサルティングの専門性を唯一うたっていたファーム、KPMGに転職しました。転職に際して、1つ悩んだのは、「1番下の職位からのスタートになります」と言われたこと。前社ではマネジャーになる直前までいっていたので、そのキャリアを捨てることになりましたが、チャレンジした結果、コンサルタント、シニアコンサルタント、マネジャー、シニアマネジャー、ディレクター、パートナーと、キャリアを重ねることができました。

佐野私は大学卒業後、外資系のITベンダーに入社しました。海外でも通用するキャリアを積みたかったので、外資系なら門戸が開けるだろうと思っての選択でした。最初に配属されたのは受付で、社長と多くコミュニケーションを取る機会に恵まれていました。そこで、かねてから米国本社勤務を希望していたことから、独自に米国本社のポジションに関する情報を収集し、社長に直訴していたところ、なんと本当に転勤を認めてもらえました。アメリカで任されたのはマーケティングの仕事。本社の人と日本の重要顧客を引き合わせる、いわばアンバサダーのような役割です。言葉やカルチャーの違いに悪戦苦闘しつつ、なんとか結果が出せるよう必死でしたね。その後、日本に戻って金融業界に転職。理由は、いろいろな世界を見てみたかったのと、「金融業界を経験するとキャリアの門戸が広がる」と言われたことが大きかったです。この会社では主に会社の戦略やゴールを全社員に浸透させる社内コミュニケーションを担当しました。仕事は充実していましたが、フロントに立ってお客様に直接サービスを提供する立場になりたいという気持ちがだんだんと大きくなり、そんなとき、前職でお世話になった現在の上司から「自分のチームで営業のできるスタッフを探している」と聞いて、「やりたいです!」と立候補。しかし、私は現在2人の子育て中で、働き方に不安がありました。その旨を伝えたところ「結果さえ出せば、バックグラウンドは問わない」と言ってもらえたので、2018年5月に当社に転職をしました。

クライアントの期待に応えるためにプロフェッショナルであり続ける

麻生私の仕事は、ITリスクの知見を使って経営活動を改革するというところから始まります。ITを活用して業務改善をすると、効率化を実現する反面、リスクが生じることもあります。そこを整理し、業務とテクノロジーを結びつけていきます。しかし、リスクというのは、クライアントが気づいたときには顕在化してしまっています。プロである以上、常に一歩先んじて「こういう改革が必要だ」「こういうリスクが発生する危険がある」と話ができなければいけません。クライアントにとってすぐには受け入れが難しいことでも、それを提示することがリスクコンサルティングの本質です。小さなリスク回避を常に繰り返した結果として、大きな改革の際の信頼にもつながります。リスクコンサルティングは守りと思われがちですが、実はクライアントとの会話では、かなり攻めています。しかも、リスクを予測し、うまくコントロールするのは当たり前で、そこから何を生み出せるか、というところまでできるのが本当の意味でのリスクコンサルティングの役目。クライアントから求められるハードルは結構高いですね。

佐野私の現在の仕事は、ある大手銀行のクライアント管理です。グローバルに情報を共有しつつ、各国の情報や状況がそれぞれで閉じないように、一気通貫でプロジェクトの内容をシェアしたり、各国のチームの橋渡しをしたりするなど、KPMGとして同クライアントを支援することを目的とした活動をしています。今まではチームごとに垣根もあり、情報共有がなかなかできていなかったのですが、そこに共通のプラットフォームを作り、コミュニケーションの流れをよくする努力をしています。

麻生彼女たちのチームが立ち上がり、組織的にクライアント管理ができるようになり助かっています。精力的に動いてくれるので、すっかり古株だと思っていましたが、まだ入社1年目とは驚きました(笑)。

結果が重視されるからこそ個人のバックグラウンドに左右されない

佐野当社はどこでも仕事ができるインフラが整っているので、とても働きやすいです。在宅でも業務ができるのはもちろん、保育園などでの待ち時間を利用してメールチェックや返信をし、仕事が滞らないように隙間時間の活用をいつも心掛けています。また、子どもの急な病気などで早退する際も、周囲から、ある程度理解をしていただけるよう、普段から積極的に「小さい子どもがいます」と自分から話題にします。知ってもらうことで、リスクを回避することもできるのではと思っています。

麻生パートナーの立場から言わせてもらうと、大事なのは、プロフェッショナルとして、あるいは人として、いかに成熟しているか、ということだと思います。当社は仕事の量ではなく質を重視します。育児などで勤務時間に制限がある場合も、与えられた役割に対してどういう質の仕事をしたかが重要です。アサインの機会は平等であり、評価の対象はパフォーマンスの良し悪しです。

佐野評価や任せられる仕事の機会などがバックグラウンドに左右されない企業文化は本当にありがたいですし、当社に入社してよかったなと思うところです。

それぞれが思う今後のキャリアと展望

麻生コンサルタントは、法律家や医者などと違い、資格がないとできないという仕事ではありません。ただ、自分の専門性や目指すコンサルタント像がないと、良いコンサルタントにはなれません。また、自分が何に喜びを感じるのかを見極めてください。私の場合は、とにかく「ありがとう」と言われたい一心でこの仕事をしています。「麻生さんがいてくれて、よかった」などと言われると、エネルギーがみなぎります(笑)

佐野私は現在、クライアント管理のほかに、クライアントが直面している課題に向き合い、解決するソリューションを提供する営業も担当しています。新たな案件を獲得できたり、「KPMGだから依頼したい」とクライアントに言っていただけたときは、非常にやりがいを感じます。

麻生キャリアアップについて言うと、ディレクターまでは早く上がりたいと思っていました。ポジションが上がればできることが広がり、判断できることも増えるためです。でも、パートナーはファームの共同経営者ですので、目指すというよりは、パートナーにふさわしい人物にならなければいけないと考えていました。2017年にパートナーになり、やはり決して楽ではなく、この先もずっと精進あるのみ、と感じる日々です。でも、パートナーになってよかったと思います。会社に対する見方が変わりましたし、会社への愛情が深くなりました。今は、自分でできること、会社の経営としてやらなくてはいけないことの両面を見ながら、最終的には、KPMGコンサルティングが大きくなり、多くの人から魅力的な会社だと思われる存在になれるよう、努力したいと思っています。

佐野私は会社の成長に貢献することで、自分も会社に負けないくらい成長できたらと思います。そしていつか麻生さんのようなパートナーとなり、経営者としての目線を持てるようになることが目標です。また、子どもたちに対して、働くことの楽しさをロールモデルとして見せていけたらいいなと思います。

これがあるから頑張れる!

麻生 多恵さん
パートナー

富士五湖が大好きで、毎月1~2回泊まりで出掛けます。富士山と雄大な自然からエネルギーをもらってリフレッシュしています。

これがあるから頑張れる!

佐野 夏子さん
マネジャー

休みの日は2人の娘と一緒に買い物に出掛けたり、旅行に行ったりしてリフレッシュしています。

KPMGコンサルティング株式会社
KPMGコンサルティングは、KPMGインターナショナルのメンバーファームとして、ビジネストランスフォーメーション(事業変革)、テクノロジー、リスク&コンプライアンスの3分野でサービスを提供するコンサルティングファーム。戦略、BPR、人事・組織、PMO、アウトソーシング、ガバナンス・リスク・コンプライアンス、ITなどの専門知識と豊富な経験を持つコンサルタントが在籍し、金融、保険、製造、自動車、製薬・ヘルスケア、エネルギー、情報通信・メディア、サービス、パブリックセクターなどのインダストリーに対し、幅広いコンサルティングサービスを提供している。
KPMGコンサルティング株式会社
  • 本社:
    東京都千代田区大手町1丁目9番7号
    大手町フィナンシャルシティ サウスタワー
  • 代表者:
    宮原 正弘
  • 連絡先:
    TEL: 03-3548-5111
  • URL:
    www.kpmg.com/jp/kc

この記事をSNSにシェアする

グローバル企業で働く社員キャリアレポート


The Japan Times Alpha Online